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カーリダーサ その思想
サンスクリット文学は、カーヴィアといわれる独特の美文体で
書かれることを一大特徴としている
それを綴るためには、文法、修辞、韻律、詩論、演劇論といった
文芸上の知識にとどまらず、神話、哲学、政治、法律からはては
天文、地理、占ト、恋愛、処世術にまでわたる当時の社会生活全般への
広範な知識が要請されるので、いきおいその作品世界は叙事詩
抒情詩であれ戯曲であれ、人間社会の諸事百般から神々の活躍する
天上界にいたるまでの総合性を帯びるのである
前述のようにカーリダーサの名は(カーリー女神のしもべ)を意味し
シヴァ神妃のカーリー女神の崇拝者、すなわちシヴァ神を最高神として
奉じるヒンドゥー教の一派に属していたことを示唆する
サンスクリット劇には冒頭に神を称えるナーンディー(祝福の詩節)がある
しかし、その信仰はヒンドゥー教信仰一般の場合と同じく
ヴィシュヌ神や女神などほかの神格への信仰に対して何ら排他的な
性格のものでないことは、代表策の一つ『ラグ・ヴァンシャ』が
大叙事詩『ラーマーヤマ』に題材を得た、ヴィシュヌ神の一化身としての
ラーマ王子の系譜をたどったものであることがよく示している
カーリダーサの作品世界からは、詩人が、業・輪廻思想を基盤とする
ヒンドゥー社会のカースト制をうけいれ、人生の最大の目的を
各自の生得の身分に応じての、ダルマ(法=倫理)、アルタ(財)
カーマ(愛)、モークシャ(解脱)の達成にありとする
当時のきわめて正統かつ穏健なヒンドゥー思想の持ち主であったことが
うかがわれるのである
その理念の具体化した姿が、ときに理想的な君主として
またときに世を絶する美女として巧みな比喩のもとに表現されるのである
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